2020.06.16マイホーム
自分の思い描く理想的なデザインや間取りの家に住みたい。
住宅を建てたい方ならどなたでも感じることなのではないでしょうか。
この間取りの自由度や価格を左右するのが住宅工法です。
この記事では住宅工法の種類と特徴について詳しく解説します。
住宅工法とは住宅を建てる方法のことです。
住宅工法により住宅を建てるために使用する素材である建築材料や、
住宅を支える骨組みである構造が異なるため、間取りの自由度や価格に違いが出てきます。
住宅工法 | 構造 |
---|---|
木造軸組工法 | 木造 |
ツーバイフォー(2×4)工法 | 木造 |
重量鉄骨造 | 鉄骨造(S造) |
軽量鉄骨造 | 鉄骨造(S造) |
ラーメン構造 | 鉄筋コンクリート造(RC造) |
壁式構造 | 鉄筋コンクリート造(RC造) |
どれか1つの住宅工法が優れているといったことはなく、それぞれにメリット・デメリットがあるのが特徴です。
次に6種類の住宅工法についての概要とメリット・デメリットについて説明します。
木造軸組工法は、日本の高温多湿な気候に合うため古来より行われてきた住宅工法です。
基礎の上に回した土台に立てた柱、梁で骨組みを作り、柱と柱の間に斜めに筋交いをして建物を軸で支えています。
デメリットは、耐震・耐風力がツーバイフォー(2×4)工法と比較してやや劣ること、施工者の技術に応じて品質に差が出やすいこと、工期が長くなることです。
しかし、メリットは、間取りの自由度が高いこと、リフォームしやすいこと、対応できるハウスメーカーが多いためさまざまな提案から選べることなので、将来的にバリアフリー化して長く住み続けたいなどの希望を持つ方におすすめの住宅工法と言えるでしょう。
ツーバイフォー(2×4)工法は、北米で生まれた住宅工法です。
断面が2×4インチ(38mm×89mm)の木材で作った枠に合板を貼り付け壁や床を面で支えています。
デメリットは、間取りの自由度が木造軸組工法と比較してやや劣ること、サイズが決まっているためリフォームしにくいこと、対応できるハウスメーカーが限られることです。
しかし、メリットは、高気密・高断熱であること、耐震性・耐風性が高いこと、工期が短くて済むこと、施工者の技術による品質の差が出にくいことなので、入居まであまり時間をかけたくない方や災害時への備えを重視する方におすすめの住宅工法と言えるでしょう。
重量鉄骨造は、その強靭さから大きなビルやマンションに使われることも多い住宅工法です。
強固な基礎の上に厚さ6mm以上の鉄骨を使用して柱・梁、筋交いを構成しています。
デメリットは、建築コストが高くなること、工事には重機を必要とするので周辺のスペースを考慮しなければならないことです。
しかし、メリットは、柱の本数が少なくて済むので間取りの自由度が高いこと、法定耐用年数が34年と長いこと、屋上緑化に向いていることなどがあるので、ライフスタイルの変化に合わせて改修を繰り返しながら住みたい方におすすめの住宅工法と言えるでしょう。
軽量鉄骨造は小規模な店舗やテナントビルに使われることも多い住宅工法です。
厚さ6mm以下の鉄骨を使用して柱や梁、また、ブレースと呼ばれる筋交いを作って骨組みを構成しています。
デメリットは、大量生産された工業製品という側面を持つため設計やデザインの自由度が低いこと、技術的に企業秘密の部分が多いためリフォームに向かないことです。
しかし、メリットは、建築コストが比較的安くなること、施工者の技術による品質の差が出にくいこと、工期が短くて済むことなので、入居までに時間をかけたくなく、将来的なリフォーム計画はない方におすすめの住宅工法と言えるでしょう。
ラーメン構造はマンションや大規模オフィスビルに使われることも多い住宅工法です。
柱と梁を強固に接合している構造のため建物自体の強度が高いのが特徴と言えます。
デメリットは、柱や梁が見えるためデザイン性があまり高いとは言えないこと、
縦横の柱と梁で支えているため地震の時横揺れに弱いことです。
しかしメリットは、壁で支えていないため大掛かりな間取り変更を含むリフォームがしやすいこと、
強度が高いため安心して住めることなので、2世帯住宅を考えている方におすすめの住宅工法と言えるでしょう。
壁式構造は低層階のマンションなどにも多く見られる住宅工法です。
鉄筋コンクリートで作った天井や床、壁という面で建物を支えています。
デメリットは、壁で建物を支えているため大きな窓は作れないこと、大掛かりなリフォームができないことです。
しかし、メリットは、柱や梁がないため、家具の配置がしやすい、耐震性が高い、防音性・断熱性が高いことです。
災害時の備えを重視し、将来的にリフォームの計画のない方におすすめの住宅工法と言えるでしょう。