2023.11.30家とお金
マイホームの購入の際には、住宅ローンを利用して購入するケースがほとんどだと思います。
住宅ローンを利用する上で活用したいのが住宅ローン減税です。
住宅ローン減税は、住宅ローンを借り入れて購入する際に、金利負担を軽減することで消費者の住宅購入を支援するための制度です。
令和4 年に大幅に改正されており、一般住宅、省エネ基準適合住宅やZEH 水準省エネ住宅と購入する物件によって提出する書類も異なりますので注意する必要があります。
今回は、住宅ローン減税の申請方法について詳しく解説します。
住宅ローン減税は、新築・取得又は増改築等をした場合、年末のローン残高の0.70.7%を所得税から最大13 年間控除する制度です。
所得税で控除できなかった分については住民税から一部減税することができます。
住宅ローン減税を利用するためには以下の条件をクリアする必要があります。
・ 住宅ローンの返済期間が「10 年以上」であること
・ 自分自身で居住するための住宅であること
・ 床面積が「50 平方メートル以上」であること
・ 自宅で事業を営んでいる場合、床面積の「2 分の1 以上」を居住のために使用すること
※一部例外もあります。
上記は主な条件となりますので、詳しくは国土交通省ホームページの「すまいの給付金」(https://sumai kyufu.jp/outline/ju_loan/)でご確認ください。
住宅ローン減税の控除の内容については以下の表にまとめていますのでご参照ください。
①新築、買取再販の場合
②既存住宅の場合
ここでは住宅ローン減税の申請方法について説明します。
一般的な住宅、省エネ基準適合住宅、ZEH 水準省エネ住宅と購入する物件によって準備する書類が異なります。
2022 年の税制改革により、2023 年以降に入居をした場合(2024 年度)の住宅ローン減税の申請方法が大きく異なります。
ここでは2024 年以降の申請方法について解説します。
まず、住宅ローン減税を受けるためには、確定申告をする必要があります。
給与所得者の場合、1 年目のみ確定申告をすれば良く、2 年目からは勤務先にローンの残高証明書と税務署から届く申請書類を提出するだけで、年末調整のときに控除を受けることができます。
個人事業主等のように自分で確定申告を行っている場合は、毎年確定申告が必要です。
これまでは書面で確定申告をする人が多かったのですが、2024 年以降の住宅ローンの申請については、基本的にe-Tax を通じて手続きを行います。
これまで必要だった金融機関から送付される残高証明書を元に、住宅ローン契約者自身が控除申告書に残高内容等を転記する作業が不要になります。
<2024 年以降の住宅ローン減税の申請の流れ>
1. 初年度:住宅ローン契約者が「氏名」「住所」「個人番号」等「申請事項」を記載した住宅ローン控除の「適用申請書」を金融機関に提出します。
2. 適用申請書の提出を行うと適用申請書を受けた金融機関は、住宅ローン控除の期間中、毎年10 月31 日まで 申請書の提出を受けた初年度は翌年の1 月31 日まで に、申請事項や年末のローン残高等を記載した調書を作成し、管轄の税務署に提出します。
3. 税務署は、初年度についてはは1 月末ごろまでに、2 年目以降は11 月末ごろまでに年末のローン残高等の情報が記載された控除証明書を住宅ローン契約者にe-Tax で登録したメールアドレスに送信します。
4. 会社員の初年度・個人事業主については、税務署から受け取った控除証明書を用いて確定申告の手続きを行います。 会社員の場合は、2 年目以降は年末調整で対応可能になります
なお、改正後には原則として、控除証明書の受取りは国税庁の電子納税・申告システムであるe-Tax を通じて行う必要があります。
e-Tax 利用が難しい場合は従来通り書面での受け取りも可能になると予想されますが、詳細はついてはまだ公表されていませんので、確定申告の際には国税庁のホームページで確認するようにしましょう。
e-Tax の利用には電子証明書の発行が必要です。
マイナンバーカードがあれば、IC チップに電子証明書が搭載されているので手続きが簡単にできます。
ない場合は、税務署に申請してID とパスワードを発行してもらうことになります。
IDとパスワードの発行は、税務職員による対面での本人確認(運転免許証やパスポートなどの顔写真付きの身分証明書を持参)が必要です。
マイナンバーやID ・パスワードの発行には意外と時間が掛かりますので早めに準備しておくと良いでしょう。
今回は、住宅ローン減税の申請方法について解説しましたがいかがでしたでしょうか。
住宅ローン減税は、税の負担を減らすことで物件の購入を支援してくれる制度なので、有効に活用することでご希望のマイホームが手に入れやすくなります。
ただ、住宅ローン減税の申請には確定申告の手続きが必要です。
2024年以降は、住宅ローン減税の申請手続きが大幅に変わるので早めの準備を心がけましょう。