2023.03.27家とお金
2023年度税制改正では家計の資産から貯蓄へといったNISAの拡充が話題になりましたが、住宅に関する税制についても改正、延長が行われています。
日本では、高齢化に伴って住まいにも様々な問題が起こっており、今回の税制改正ではマンションの長寿命化や空き家問題などの改正が中心です。
住宅ローンや贈与税など現行の住宅支援税制についても気になるところだと思います。
今回は、「2023年度税制改正」における住宅に関する改正のポイントについて詳しく解説します。
高度成長期に建てられたマンションの多くが築50年を越えており、老朽化の目立つマンションが増えています。
大規模改修工事などによるマンションの長寿命化が大きな課題となっています。
そこで今回の税制改正では、管理計画の認定を受けた築20年以上の一定のマンションにおいて、令和5・6年中に屋根防水工事、床防水工事、外壁塗装工事といった長寿命工事を実施した場合は、建物部分の固定資産税が標準1/3減額となります。
2019年4月に発表された「平成30年住宅・土地統計調査」によると全国の空き家の数は約846万戸となっており、倒壊や防犯面など大きな問題となっています。
そういった空き家を少しでも減らそうということで、昭和56年5月31日以前に建築された空き家については、耐震工事して売却する、建物を解体して壊して売却するなど一定の条件を満たすと譲渡所得から所得税・住民税について3,000万円の控除を受けることが可能です。
空き家3,000万円控除については2023年末まででしたが今回の税制改正で2027年末まで延長されました。
又、買主が売買契約に基づいて譲渡後に耐震改修又は除去した場合も特別控除が認められるように拡充されています。
2024年以降の譲渡が対象で譲渡の翌年2月15日までに工事を完了する必要があります。
土地の売買を活性化させるための土地の売買による所有権移転登記等に係る登録免許税の特例措置は令和5年3月31日で終了する予定でした令和8年3月31日まで3年間延長されています。
登録免許税の軽減措置では所有権移転登記にかかる登録免許税率2.0%が1.5%、所有権の信託の登記にかかる登録免許税0.4%が0.3%に軽減されます。
マイホームなど住宅の取得において、ほとんどの人は住宅ローンを利用されると思います。
一定の条件を満たす住宅については、年末の住宅ローン残高の0.7%を所得税(一部、翌年の住民税)から最大13年間控除を受ける住宅ローン控除が適用されます。
住宅ローン減税についても引き続き活用が可能です。
又、親から住宅購入の資金を一括贈与した場合に受けられる最大1,000万円(省エネ住宅1,000万円、その他500万円)の非課税枠についても2023年末まで利用できます。
今回の税制では、築年数の経っているマンションや空き家についての税制改正がメインでしたが、これから親からの資産を相続ケースも増えてくると思うのできちんと理解しておきましょう。
その他期間が延長されている税制も多いですが、特に贈与税の非課税枠については2023年末までとなっているので、資金援助を検討されている人は早目の対応が必要です。