2024.10.28住まいのヒント
不動産を相続する際には様々な税金が必要です。
相続で必要な税金には、相続税だけでなく、固定資産税や都市計画税、登記に必要な登録免許税などがあります。
事前にどういった税金があるかを知っておくと実際に相続が発生した場合に慌てずに済みます。
今回は、相続で必要な 6 つの税金について解説します。
不動産の相続で必要な6つの税金
不動産の相続で必要な税金は、相続税、固定資産税、都市計画税、登録免許税、所得税、住民税の6つです。
相続税: 相続税は、亡くなった人から財産を受け継ぐ際に課される税金です。
日本では、一定の基礎控除額が設定されており、この控除額を超える財産に対して税金が課されます。
基礎控除は、3000 万円+相続人の人数×600 万円が相続する財産から控除が可能です。 基礎控除を超える場合は更に下記の速算表分の課税がされます。
法定相続分に応ずる取得金額 (基礎控除額を超える部分) |
税率 | 税率控除額 |
---|---|---|
1,000 万円以下 | 10% | - |
1,000万円超から3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
3,000万円超から5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
5,000万円超から1億円以下 | 30% | 700万円 |
1億円超から2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
2億円超から3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
3億円超から6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
仏壇、仏具や生命保険、死亡退職金は非課税財産と言われ、生命保険と死亡退職金については一定の金額が控除できます。
固定資産税: 不動産を所有している場合、毎年1月1日の所有者が納める税金です。
固定資産税は、市町村が決定する固定資産税評価額に基づいて算出されます。
相続した際に被相続人が固定資産税の支払いをしていない場合は、相続人が代わりに支払う必要があります。
都市計画税: 都市計画区域内にある不動産に対して課される税金です。
都市計画税の税率は市区町村によって異なり、主に都市基盤整備のために使われます。
固定資産税と同様に、毎年1月1日の所有者が支払う必要があり、被相続人が支払っていない場合は相続人が代わりに支払う必要があります。
登録免許税: 不動産の登記の際に支払う税金です。
不動産を取得した際や、相続による名義変更の際に必要となりますが、登記申請の際に登録免許税を納めます。
相続による不動産の所有権移転登記の場合、課税標準と税率は以下のとおりです。
登録免許税額 = 不動産の固定資産税評価額 × 0.4%
相続した土地の価格が100万円以下であれば、相続登記の登録免許税0.4%が免税となります。
所得税・住民税:被相続人が死亡した年に不動産を売却して利益が出ていた場合や賃貸収入があった場合は、本人の代わりに相続人が確定申告をして所得税・住民税を支払う必要があります。
売却した不動産の所有期間が5年未満の場合は短期譲渡(所得税30.63%、住民税9%)、5年以上は長期譲渡(所得税15.315%、住民税5%)となる点には注意が必要です。
それぞれの税金について正しく理解し、適切な手続きを行うことで、不要な税負担を避けましょう。
また、具体的な相続計画を立てる際には、税理士や専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。
税金の負担を軽減するための方法や、最新の法改正に関する情報を得ることで、相続手続きがよりスムーズに進めることができます。